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秘密の同居生活と年下彼氏の甘い策略

# 秘密の同居生活と年下彼氏の甘い策略

梅雨入りしたばかりの東京。湿った空気が漂う街の一角に、工藤直樹は静かに佇んでいた。34歳の敏腕営業マンである彼は、最近仕事のストレスが溜まり、心の中にモヤモヤとしたものを抱えていた。そんな彼の傍らには、25歳の同僚、青木翔がいる。明るく元気な性格の青木は、直樹の心を少しずつ軽くしてくれる存在だった。

「どうしたんですか、工藤さん。元気がないですね。」

青木が心配そうに直樹の顔を覗き込む。その無邪気な笑顔に、直樹は一瞬ドキリとした。彼の笑顔は、癒しでありながらも戸惑いを覚える要因でもあった。

「なんでもないよ。ただ、仕事がちょっとね…。」

直樹は視線を逸らし、誤魔化すように答えた。実際、青木との関係は心地よかったものの、年齢差ゆえに一歩踏み出せずにいた。

仕事が一段落したある日、直樹は驚きの提案を受ける。青木が真剣な表情で言った。

「実は、僕、この家を引っ越そうと思ってるんです。」

直樹は目を丸くした。「え、そうなの?新しい場所に行くの?」

「はい。友達とシェアハウスするつもりなんです。でも、前の家の契約が切れるまでの間、工藤さんのところに住めませんか?」

直樹は一瞬、思考が停止した。青木との同居?その申し出は夢のような話だったが、同時に不安も生じた。彼は軽いジョークでその不安を薄めようとした。

「ええ、まあ、朝ごはんを作るのが好きだから、君が頼むなら検討してもいいけど、掃除はお願いね。」

青木は笑いながら手を挙げ、「任せてください!」と宣言した。その瞬間、直樹の心は少しだけ軽くなった。

こうして、青木が直樹のアパートでの同居が始まった。最初の頃はまるでドタバタのコメディのようだった。朝ごはんの準備では、青木がフライパンを持ってお好み焼きを焼き、直樹は思わず笑ってしまった。

「青木君、それは焼き肉じゃなくてお好み焼きだよ!」

「だから、これもアレンジですよ!」

青木の無邪気さに、直樹は笑いを堪えきれなかった。そんな日々が続く中、徐々にお互いの距離は近くなっていった。

ある日の夜、二人はリビングで映画を観ていた。青木が隣に寄り添うと、直樹はその温もりに心が高鳴るのを感じた。

「工藤さん、これ面白いですか?」

「うん、面白いよ、でもちょっと…青木君が近すぎて、集中できないかも。」

直樹は少し恥ずかしそうに言ったが、青木はその反応を楽しんでいるかのようにニヤリと笑った。

「じゃあ、もっと近づいてもいいですか?」

直樹は思わず息を飲み、その言葉にドキリとした。こんな展開になるとは思ってもみなかった。しかし、青木の純粋さと無邪気さには、すでに心を開いていた。

数日後、直樹は思い切って青木に告白することを決意した。部屋の中、青木がソファに座っているとき、直樹は緊張しながら声を掛けた。

「青木君、ちょっと話があるんだけど…。」

「なんですか?工藤さん、真剣な顔して。」

「実は…僕は君のことが好きなんだ。」

青木は一瞬驚いたように目を大きく見開いたが、すぐにその顔に笑みが浮かんだ。

「僕も同じです、工藤さん。」

その言葉に直樹は心が踊るのを感じた。二人の視線が絡まり、お互いの想いを確かめ合う瞬間が訪れた。

これからの同居生活は、さらに甘いものになるだろうと、直樹は少し不安を抱えつつも、新たな楽しみへの期待に胸を膨らませていた。

数ヶ月が経ち、彼らの日常は以前とは異なっていた。青木との関係は、職場では見せない一面を持った温かなものであった。毎朝、お互いに軽口を叩き合いながら笑い合い、夜は静かな時間を共に過ごした。

ある日、青木がふと真面目な顔で言った。「工藤さん、僕たちの関係、これからどうしていきましょうか?」

直樹は少し考えた後、微笑みながら答えた。「焦らずに、今のままでいいんじゃないかな。」

青木は頷き、彼の手を取った。「そうですね。これからも、二人で一緒に過ごしましょう。」

周囲が暗くなった頃、直樹は窓の外を見つめながら、心の中に温かい感情が広がっていくのを感じていた。青木との秘密の同居生活は、二人にとって新しい扉を開く瞬間だった。そして、彼らはその先に進むことを選んだ。

余韻に包まれた部屋の中で、二つの心はすでに一つになりつつあった。未来がどうなるかは分からないが、彼らの物語はまだ始まったばかりである。