# 秘密の同居生活
春の陽射しが優しく降り注ぐ中、学園の静かな一角にひっそりと佇む古いアパート。その住人は、高校二年生の後輩・大輔と、その一年先輩の友樹だ。二人は、友樹の家庭の事情によって、突如として始まった秘密の同居生活を送っていた。
「今日も遅くまで勉強するの?」
友樹は食卓に座りながら、大輔に微笑む。その笑顔には、大人の余裕が漂っていて、大輔の心は思わず躍った。彼は友樹をずっと憧れの眼差しで見つめていた。
「うん、もう少しだけ頑張る」
大輔は参考書を広げ、ページをめくる。しかし、その視線はちらちらと友樹の顔に向かい、友樹の白い肌や柔らかそうな唇が、彼の妄想を掻き立てていた。
「頑張りすぎるのも良くないけど、君は本当に努力家だね」
友樹の声が優しく響く。大輔はその言葉に胸が高鳴り、思わず視線を伏せた。
「先輩、そんな風に言ってくれると…もっと頑張りたくなっちゃう」
彼は恥ずかしさに顔を赤らめながら答えた。友樹はその様子に微笑み、立ち上がった。
「ちょっと待ってて。お茶を入れてくるから」
その言葉を聞いて、大輔は急に不安となった。友樹と二人きりの時間が心地よくもあり、同時に緊張感が漂っていたからだ。友樹が戻るまでの短い時間に、彼は自分の心を整理しようとした。
「大輔、紅茶どう?」
友樹が紅茶を入れて戻ってくると、香りが部屋中に広がった。大輔は静かに座り直し、友樹の様子を伺う。友樹は、自分を大切に扱ってくれるかのような優しい眼差しを向けていた。
「ありがとう、先輩。優しいね」
大輔は目を細めて言った。友樹は少し笑いながら、彼の頬に指をかける。
「大輔がいると、こちらも癒されるよ。だから、ずっと一緒にいてほしいな」
その瞬間、大輔の心臓が大きく脈打った。まるで、その一言が彼の日常を変えてしまうかのように感じた。友樹の優しい笑顔が彼を捉えて離さなかった。
「先輩、私もあなたと一緒にいたい…」
言葉が思わず口からもれた。大輔は、自分がどれほど友樹を望んでいるかを理解し、顔が熱くなる。友樹の表情が驚きから優しさへと変わり、静かな時間が流れた。
「それなら、もっと一緒に勉強しようか。もっと君のことを知りたい」
友樹の言葉には、深い意味が込められているように感じた。その瞬間、大輔は友樹の手を軽く握る。指先に触れる温もりが、彼の心に優しい火を灯す。
「はい、もっと一緒に…」
友樹の目に宿る真剣な眼差しに、大輔は勇気を持った。彼は自分の気持ちを素直に伝えたいと心から思った。
だが、そんな矢先に、ドアをノックする音が響き渡った。訪問者は友樹の幼馴染みである璃奈だった。二人は一瞬驚き、慌てて手を離す。
「ごめん、入ってもいい?」
璃奈がニコニコしながら入ってくる。友樹と大輔は互いに目を見合わせ、複雑な思いが胸を掻き立てられる。二人の間の空気が再び変わってしまったかのように感じた。
「勉強の邪魔だったかな?」
璃奈の無邪気な笑顔が場の雰囲気を和ませるが、大輔はどこか物足りなさを感じていた。友樹を見ると、彼も同様に思っているようで、少し残念そうな表情を浮かべていた。
「いや、大丈夫だよ。ちょうど休憩中だから」
友樹は笑顔で答えるが、大輔は心の中で「もう少しこの瞬間が続けばいいのに」と願った。
こうして彼らの秘密の同居生活は続いていく。時には勉強を共にし、時には小さな喧嘩をしながら、その距離が少しずつ近づいていることを感じていた。
春が過ぎ、夏が訪れる頃には、大輔の心の中で友樹への気持ちがますます膨らんでいた。
「やっぱり、先輩が好きだ」
彼はその気持ちを抱きしめることにした。友樹も同じ気持ちでいてくれると信じていた。
ある日の放課後、大輔は友樹を呼び止めた。
「先輩、少し話があるんです」
その瞬間、友樹は驚いた様子で振り返る。しかし、大輔の勇気は揺るがなかった。
「もっと、俺たちの関係を深めたいって思ってるんです」
二人の間に静かな時間が流れ、友樹の目がじっと大輔を見つめている。
「いいよ。俺も同じ気持ちだ」
その言葉は、大輔の心の中で待ち望んでいた答えだった。
夏の夕暮れ時、二人の距離は新たな次元へと進んだ。周囲の景色が美しく染まっていく中、彼らの心は迷いなく、まっすぐに近づいていった。
「これからも、ずっと一緒にいてください」
大輔は静かに友樹の手を握る。友樹もその手をぎゅっと握り返し、微笑む。
「もちろん、ずっと一緒だよ」
その約束が、二人の未来を繋いでいることを感じさせながら、夕陽が彼らの背後に沈んでいく。世界が二人だけのものになったような感覚は、これからの新しい生活への道を示しているようだった。
背中を合わせた二人は、未来を見つめながらその瞬間を大切に胸に秘めた。彼らの物語は、まだ始まったばかりだった。