# 秘密の同居、先輩と後輩
「お、おい。これ、本当にいいのか?」後輩の和也は目を丸くし、先輩の浩介を見つめた。浩介の部屋のリビングで、荷物を片付けるために床に座ったまま、背中を伸ばしていた。
「いいに決まってるだろ。誰もいないんだから。」浩介は和也の不安を軽く一蹴した。彼には、和也を自分の部屋に住まわせる理由があった。和也の家には、家族の事情で少しトラブルがあったのだ。
「でも、これって先輩と俺の秘密ってことですよね?」和也は戸惑いを隠せず、内心のドキドキを抱えていた。浩介への密かな想いがあったからだ。
「秘密って言っても、誰も気づかないさ。夜は静かだし、昼間は忙しいしな。」浩介は微笑みながら、これまでの関係が一歩進んだような気持ちを楽しんでいた。
「そうですね、でも…なんか緊張しますよね。」和也は照れくさそうに笑った。
浩介はその笑顔を見て、何とも言えない心の高まりを感じた。彼もまた、和也に特別な感情を抱いていることに気づいていたが、言葉にするにはまだ勇気が足りなかった。
「昼間は仕事だし、夜は一緒にご飯を食べるだけだから、そんなに気を使わなくていいよ。」浩介は明るく言ったが、自分もどこか気を使っていることを感じていた。
数日後、和也は浩介との同居生活にだんだん慣れてきた。帰宅すると、浩介が夕飯を作って待っているのが当たり前のようになり、彼の日常は明るく変わっていった。浩介の優しさに触れるたび、和也の気持ちはさらに膨らんでいく。
「先輩、これ美味しいですね!」和也は皿を手に取り、浩介を見つめた。浩介は嬉しそうに笑った。
「お前が食べてくれるから、頑張って作った甲斐があったよ。」浩介の言葉には、特別な温もりがあった。
「じゃあ、俺が洗い物をする番ですね。」和也は自分の皿を片付けながら、浩介の視線を感じて心が躍った。
その日、和也は家に帰るとふと浩介の目が浮かんできた。彼の笑顔、優しさ、そして自分に向けられる特別な視線が心に蘇る。和也は、こんなことを考えている自分に少し恥ずかしさを感じた。
「一緒にいると、なんか落ち着くな。」そんなぼんやりとした思いが、彼の心に重なった。
ある夜、二人でソファに座り、テレビを見ていると、自然と和也が浩介に近づいてしまった。数センチの距離。テレビの音がむしろ静かに感じる。思わず和也は周囲を見回し、声を潜めて言った。
「先輩…これ、本当に誰にもバレないんですよね?」不安な声が自分の口から出てきた。
「大丈夫。俺たちが気をつければ、誰にも知られないさ。」浩介はいつもの明るさで優しい微笑みを浮かべていた。その表情を見て、和也は少しドキドキした。
和也は顔を背け、心臓の音が響くのを感じていた。彼の思いはますます深まり、耐えきれなくなり、心の底から浩介に頼りたくなった。
「先輩、俺、もっとあなたを知りたい。もっと一緒にいたい…」和也の小さな声が静かな夜に響いた。
浩介はその瞬間、和也の真剣な眼差しに気づく。彼もまた、和也に特別な感情を抱いていることに改めて気づいた。
「和也…お前は俺にとって大切な存在だ。」浩介は小さく呟き、和也に手を伸ばした。触れることのない微妙な距離を保ちながら、二人の心は互いに向き合っていた。
和也はその言葉を受け止め、暖かな感情が身体の内側を満たしていくのを感じた。二人は無言で目を合わせ、時間が止まったかのようだった。
次の日、朝食を一緒にとりながら、浩介が和也を見つめて言う。「昨夜のこと、忘れたとは言わせないからな。」それはまるで彼の心の中に確かなものが生まれた瞬間だった。
和也は笑顔で頷き、彼の心の中にも新しい絆が芽生えたことを感じた。彼らの秘密は、これからさらに深まっていくのだろう。
そして、同居生活は続く。日々の中で少しずつ互いの心に触れながら、二人の関係は新たな段階へと進んでいくのだった。
特別な予感を胸に抱きながら、和也はこれからの毎日が楽しみで仕方がなかった。浩介と共に過ごす日々によって、彼の心はどんどん豊かになっていく。まだ二人には明るい未来が待っている、その余韻を感じながら、和也は新しい一歩を踏み出す準備をしていた。