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幼馴染みの秘密

# 幼馴染みの秘密

春の訪れを感じる晴れた午後、校庭には新緑の香りが漂っていた。心地よい風に吹かれ、悠斗は幼馴染の和也と一緒にいることが嬉しかった。和也の長い黒髪が日差しを浴びて、きらきらと光っている。

「悠斗、また図書室に行こうよ!」和也が笑顔で提案する。その目は輝き、悠斗も思わず微笑んだ。

「いいよ、和也がリクエストするなら何でも付き合うよ」と悠斗は答えた。年下の和也は少し無邪気で、その素直さに悠斗は惹かれていた。

二人は図書室へ向かう途中、会話を交わしながら自然と距離を縮めていく。まるでお互いが存在を支え合っているようだった。

「そういえば、前に話してた絵本、もう読んだ?」和也が興味津々に尋ねる。「最後のページの絵が、すっごくきれいだったんだ!」

「うん、読んだよ。あの絵、本当に素晴らしかった」と悠斗は頷き、ふと口を開く。「特に、二人の友情の描写が心に残ったな。小さい頃の僕たちみたいだよ」

和也は少し驚いた表情を見せ、その目が大きくなった。「ほんとに? そんなふうに思ってくれてたんだ、悠斗」と笑った。その笑顔を見た悠斗は、胸が高鳴った。

図書室に着くと、二人は静かな空間に身を沈めた。少し距離を置きながら好きな本を選ぶが、和也が悠斗の隣に来ると、彼の心臓は高鳴り続けた。

「悠斗、これ面白そうだよ!」和也が手に取った一冊を差し出す。タイトルにはあふれる友情の物語が記されていた。

「うん、読もうか」と悠斗は本を受け取り、ページをめくり始める。しかし、その瞬間、和也が彼の手に優しく触れた。

「悠斗、ずっと一緒にいたいな」と和也が真剣な眼差しで言った。その言葉が悠斗の心の奥に響き、思わず顔を赤らめる。

「和也……」

「俺、悠斗のことが好き。友達以上の存在になりたいんだ」と和也の言葉が温かく響く。悠斗は驚きと嬉しさの狭間で悩ましい気持ちに包まれていた。

彼は和也を見つめ、今まで気づかなかった感情が広がっていくのを感じた。友達から恋に変わる瞬間、まさにそのときだった。

「私も、和也が好きだよ」と口から出た言葉は少し震えていたが、真摯な気持ちが伝わったらしい。和也の目が輝き、二人の距離は一層近くなった。

「じゃあ、一緒にこの本を読みながら、もっとお互いのことを知ろうよ」と和也がニコニコと笑った。その表情に悠斗は心を奪われた。

本の内容は忘れてしまいそうなほど、二人の会話は弾んでいった。和也の笑顔、彼の柔らかな声、すべてが悠斗を温かく包み込むようだった。

放課後、二人は持ち帰った本を手に、近くの公園で再び待ち合わせた。青空の下、素敵な時間を過ごすことを楽しみにしていた。

「悠斗、次はどんな話をする?」和也が大胆に尋ねてきた。

「未来のこととか、夢とか、大人になったら何をしたいかとか」と悠斗は思わず答えた。

「うん、それすごくいい!」和也は笑顔で頷き、その目が期待に満ちている。悠斗も感情が高まり、ドキドキが止まらなかった。

そうして彼らは、互いの夢を語り合いながら当時の思い出や、これからの未来についても話した。いつしか日が暮れかけていた。

「和也、本当に楽しかったよ」と悠斗は心からの感謝を込めて言った。

「僕もだよ、悠斗。これからもずっと一緒にいてほしいな」と和也は優しく微笑んだ。

その瞬間、悠斗は彼の言葉の意味を理解した。友情から始まった二人の関係は、今、新しいステージへと進んでいた。

別れ際、和也はそっと悠斗の手を握り、「もう一緒にいるのは当たり前だね。これからも、ずっと手をつないでいよう」と自信に満ちた言葉を紡いだ。

「うん、和也……その言葉、忘れないよ」と返す悠斗の心は幸せでいっぱいだった。二人の目が合った瞬間、特別な感情が流れた。

風が吹き抜けていく。彼らはそれぞれの思いを抱えながら、明日へと歩んでいくのだった。その背中には、新たな物語の始まりが見えていた。