# 秘密のキッチン
新しいプロジェクトが始まる中、平田は心躍る思いを抱えていた。憧れの先輩、山崎と秘密の同居を始めたばかりだったからだ。この関係は職場では口にできないもの。平田は、思わず笑顔で言った。「これって、普通じゃないよね?」
「まあ、そうだね」と山崎は軽やかに笑い返す。薄暗い部屋の中で、キッチンから漏れる明かりが二人を包んでいた。彼らは夕食の準備をしていた。平田は、先輩の手際の良さに見とれていた。
「料理、上手ですね。特にスパゲッティ、本当に美味しそう」と平田は素直に褒めた。
「平田が食べたいと思ってくれるから、頑張ってるだけだよ」と山崎は言いながら、平田の隣に寄り添い、茹でる鍋をチェックしていた。その近さに、平田はドキッとした。
「先輩のために作っているんですか?」平田が尋ねると、
「まあ、たまにはね」と山崎はさらりと返す。平田は嬉しさを隠せず、顔が赤くなった。
この関係は、始まったばかりではなかった。しばらく前から、社内での会話や小さな振る舞いを通じて、お互いに意識し合うようになっていた。特に山崎の優しい笑顔は、平田にとって心の支えだった。
「ねえ、先輩、明日の会議のことなんだけど」と平田が切り出すと、
「会議の後、みんなで飲みに行く予定だろう?参加するつもり?それとも一人で帰るのか?」山崎の声には、柔らかな響きがあった。
「うーん、先輩と一緒なら、すごく楽しいから参加したいです」と平田は答えた。
「じゃあ、一緒に帰ろうか?」山崎がにっこりと笑うと、平田の心臓が高鳴った。キッチンの温かい空気の中、二人は料理を続けていた。
食卓に並んだスパゲッティを見て、平田は感動し、思わず手を合わせる。「いただきます!」
「まだ食べてないだろう」と、山崎は笑いながら箸を差し出した。平田はその箸を受け取り、自分の皿に盛られたスパゲッティを口に運ぶ。想像以上の美味しさに、思わず微笑んだ。
「やっぱり先輩、天才です!」平田は心から褒めた。山崎は少し照れた様子で顔を赤らめる。
二人で夕食を楽しむ時間は、平田にとって最高の幸せだった。会話が弾む中で、互いの人間性や未来について語り合い、ますます距離が縮まっていった。そして料理が終わると、山崎がふと真剣な表情になった。
「でも、これが続くと、周りにバレそうで怖いな」と山崎が言う。
「バレないように気をつければ大丈夫です!あまりしつこくしなければいいんですから」と平田は元気に返した。
「その通りだね。でも、どうせならもっと積極的になってもいいと思うよ」と、山崎は目を細めた。
平田は、その言葉に内心ドキドキした。このままではいけないが、この瞬間をもっと楽しみたい。彼らの関係は、先輩と後輩の枠を超えた特別なものになりつつあった。
やがて夕食が終わり、キッチンの片付けを手伝いながら二人は話し続けた。平田は山崎の横顔を見つめ、その愛おしさが胸に響いた。
「でも、こういう時間がいいね」と平田が言うと、山崎は小さく頷いた。
「うん、こういうの、またやろう」と山崎の言葉は温かかった。二人の心が近づく瞬間を実感した。
こうして夜が更けていき、平田はこの関係を大切にしたいという思いを強くした。彼らの秘密の同居は、ただの事実ではなく、未来に向けた大切な始まりだった。
山崎と平田は、また一緒に過ごすことを心待ちにしている。周りに知られなくても、この瞬間がどれほど幸せであるか、二人は理解していた。そして、その笑顔は、どんな未来を持っていても、きっと続いていくのだろうと思った。
余韻を残しつつ、二人の新たな関係はこれから様々なシーンを迎えるだろう。平田は、次の日も山崎と一緒に過ごせることを心から楽しみにしていた。