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秘密の同居と甘い戯れ

# 秘密の同居と甘い戯れ

春の心地よい風が吹く午後、社内は新年度の始まりを迎え、期待と緊張が入り混じった雰囲気が漂っていた。後輩の健太は、先輩の響星(ひびき)と特別な時間を過ごしたいと密かに思っていた。響星はいつもクールで少し不器用だが、その優しさに健太は強く惹かれていた。

「響星先輩、週末、空いてますか?」健太は勇気を振り絞り、尋ねた。

響星は驚いた表情で振り返り、「ああ、特に用事はないけど…なんで?」と答える。その言葉に健太の心臓は高鳴った。何を言おうか迷ったが、思い切って続けた。

「友達と遊ぶ予定だったんですが、急にキャンセルになって。先輩と一緒に過ごせたら嬉しいなって…」

響星は少し眉をひそめた。「俺と?」驚きの色がその口調に滲んでいた。

「うん!一緒にゲームでもどうかなって。先輩、ゲーム好きですよね?」健太の目は期待に輝き、響星に意外な提案を続けた。

「まあ、好きだけど…」響星の顔には一瞬の迷いが浮かんだ。「一人暮らしの家に来るってこと?」

健太は頷く。「もちろん!大丈夫です、先輩に迷惑なんてかけませんから!」

響星はその言葉を聞いて、緊張を解くようにため息をついた。「わかった、じゃあ来てくれ。でも、あまり遅くならないようにね?」

「はい!」健太の心は弾んだ。響星の家で過ごす時間を想像するだけで、ドキドキが止まらなかった。

週末、健太は自宅で身支度を整え、響星の部屋のドアをノックした。カチリと音を立てて開くと、響星が照れくさそうに待っていた。

「いらっしゃい。上がって。」響星は健太を中に招き入れた。

部屋に入ると、意外にもシンプルで落ち着いた空間が広がっていた。健太は驚きながら、「素敵な部屋ですね!片付いていて、さすが先輩です!」と褒めた。

響星は少し照れ笑いを浮かべ、「お前が言うとお世辞にしか聞こえないぞ」と返した。

「そんなことないです!本当に!」健太は強調するように言った。

「さあ、ゲームでもするか?」響星はコントローラーを手渡し、ふと健太の視線が自分に向けられていることに気づき、不意に心臓が早鐘を打った。

ゲームが始まると、二人の会話はダイナミックに盛り上がった。健太は自分のキャラクターが負けそうになるたびに、響星に「先輩、助けて!」と叫び、響星も「俺に任せろ!」と応じて手を貸す。

「なんでそんなに下手なんだよ!」と響星が笑いながら言うと、健太は「だって、先輩が隣にいると緊張するもん!」と素直に告白した。

響星はその言葉に少し驚いた。「え、俺も…お前が隣にいると緊張するけど。」

健太は驚きつつも、響星の言葉に嬉しくなり、思わず顔が赤らんだ。「そ、そうなんですか?」

「いや、特別な意味は…」響星は慌てて言い訳をしようとしたが、健太の表情から目を逸らせなくなった。

その瞬間、健太の心は高鳴り、響星の視線が自分を捉えていることに気づいた。二人の間に流れる空気が、まるで全ての音を吸い込むように静まりかえった。

「響星先輩、もしかして…」健太は言葉を続ける。響星はその言葉を待つようにじっと見つめていた。

「…俺、先輩のことが…」言葉が口をついて出る。今さら逃げられない。二人の心が近づいていく。

響星は慎重に口を開く。「何かは感じていたけど。」

健太の鼓動が高鳴る。響星の言葉を受け止め、二人の距離は一瞬で縮まり、心の奥に温かい流れが広がった。

「響星先輩、これからも一緒にいてもいいですか?」健太は自分の気持ちを確かめるように尋ねた。

響星は無言で頷き、二人の目が交差した。その瞬間、部屋の中に甘い香りが漂うように感じた。

週末はこうして流れ、いくつかのゲームや会話を楽しみながら、お互いの距離は着実に縮まっていった。響星の意外な優しさに触れ、健太は彼にドキドキしつつも心地よい安らぎを覚えた。

日が暮れ始めた頃、健太はそっと言葉を口にした。「また、先輩と遊びたいな…」

響星は微笑み、「もちろん。また一緒にゲームしようか。」その言葉に健太は心の中で小さくガッツポーズをした。

こうして二人の関係はゆっくりと深まり、響星の部屋は秘密の楽園のようになっていく。未来にどんな出来事が待ち受けているのか、それはまだ誰にも分からない。

健太はこの一歩を踏み出したことに満足しつつ、響星との次の時間を心待ちにしていた。

優しい春の風が吹く中、彼らの物語はまだ始まったばかりだ。