小説

秘密の甘さ

# 秘密の甘さ

現代の都会の片隅に、洗練された社屋がある。その中で、仕事に追われる二人の青年がいた。先輩の聖司(せいじ)は優れたデザイナーで、後輩の新(あらた)はその秘書として働いている。新は、聖司の横で働くたびに心が高鳴るのを感じつつも、彼の強気な態度に緊張していた。

「新、これ資料確認しておいてくれ」と聖司が新のデスクに一枚の書類を置く。

「はい、先輩。すぐにやります」と、新は少し緊張しながらも聖司の視線に応じる。

聖司は、頬がわずかに赤くなった新を見て、心の中で微笑んだ。新の可愛らしさに、時折見せる不安そうな表情が愛おしく感じられたが、自分の気持ちを打ち明ける勇気はまだ持っていなかった。

そんなある日、新は聖司に話しかけた。「先輩、最近ストレスが多いですか?」

カフェでランチをとりながら、聖司は一瞬驚いた顔をしたが、すぐに優しい表情を浮かべた。「そうだな、忙しい日が続いているから、ちょっとだけ。」

その言葉を聞いた新は、聖司を少しでも楽にしたいと願った。「もしよかったら、今度ウチに来て、一緒にゆっくり過ごしませんか?」

「新の家? いいのか?」聖司は驚いた様子だが、心の奥で期待が膨らんでいる感覚を覚えた。

「はい、家は広いですし、先輩にはぜひリラックスしてほしいです。」新は自信満々に答えた。

数日後、聖司が新の家を訪れることになった。ドキドキしながら部屋を整え、新は聖司を迎え入れた。聖司の後ろ姿を見て、思わず頬が赤くなった。

「ここが新の家か。いい雰囲気だな」と聖司が言うと、新は嬉しさで胸が高鳴る。「ありがとうございます!」と元気よく返事した。

彼らはお互いの距離を縮め、静かな空間でリラックスした。新は料理を作りながら、聖司の反応を楽しみに待っていた。「これ、先輩が好きな味付けにしてみました。」

「うん、すごくおいしい」と聖司の笑顔を見て、新は心が温かくなるのを感じた。

夕食を終え、お茶を飲みながら静かに会話が弾んだ。「新は、俺のためにこんなことをしてくれるのか?」

「先輩が好きだから、もっと喜んでもらいたいんです」と、新は思わず本音を口にしてしまった。

一瞬、聖司は真剣な表情になった。「好きって、どういう意味なんだろうな?」

新はドキッとし、言葉が続かない。だが、一緒に過ごす幸せな時間が、二人の心を近づけていく。

「俺も、新のことが気になってる。ずっと一緒にいたいと思っているよ」と聖司がゆっくり言った瞬間、新は心が踊るのを感じた。思いがけない言葉に、嬉しさのあまり涙がこみ上げてくる。

「先輩…」と、新は聖司の目を見つめ返した。そこには温かい視線があった。

「新、俺と…付き合わないか?」

その言葉に、新は頷くことしかできなかった。気持ちが高まる中、聖司が新の手を優しく握る。彼らの距離は一瞬にして縮まり、心の中で何かが弾ける音がした。

「ずっとこの瞬間を待っていたんだ」と聖司が言い、新は笑顔を浮かべた。「私もです、先輩。」

甘い気持ちが二人の間に流れ込み、静かな夜の中で、初めての気持ちを分かち合った。

そして、日々の仕事に戻る中で、彼らはお互いの存在に支えられながら歩んでいく。そう、秘密の同居が始まったのだ。甘い想いは、これからも続いていく。

静かな夜の光がやさしく二人を包み込み、心の中に新しい日々が垣間見える。終わりなき夜の余韻が、彼らの未来を祝福するように微笑んでいるのだった。