# 秘密の同居と甘い瞬間
春の日差しが優しく降り注ぐある日、優斗は家の鍵を開けながらドキドキしていた。「こんなこと、いいのかな…」と心の中で何度もつぶやく。彼の心には、同居することになった先輩、翔太への期待と不安が交錯していた。
翔太は仕事の都合で急遽、後輩の優斗と同居することになった。始めは何かと問題が起きるのではないかと心配だったが、優斗は彼の笑顔を思い出し、緊張をほぐそうとした。
「おーい、優斗、準備できた?」翔太が部屋の奥から声を掛ける。優斗は返事をしつつ、心拍数が少し早くなるのを感じた。
「はい、今行きます!」そう言いながら、優斗は自分の部屋から飛び出した。翔太の存在を近くに感じるだけで、なんとも言えない高揚感に包まれた。
リビングでは、翔太が雑誌を広げていた。優斗が近づくと、彼の視線が一瞬こちらに向く。その瞬間、優斗はドキリとした。
「お、優斗の顔色がいいな。なんかあった?」翔太がニヤリと笑う。
「いや、特に…ただ、先輩と一緒にいるのが嬉しいだけですけど」と優斗は少し照れながら答えた。
「そうか、ならいいんだけど。」翔太は再び雑誌に目を戻したが、その横顔にはほころぶ笑みが浮かんでいた。優斗はその姿を見て、心の中で何かが弾ける音を聞いたような気がした。
同居が始まって数週間、二人の生活は思った以上に楽しいものだった。仕事の疲れを共に癒し合い、時には些細なことで笑い合う。優斗は、翔太を「先輩」としてだけでなく、一人の人間として惹かれていく自分を感じ始めていた。
「これ、優斗の好きなやつだろ?」翔太が冷蔵庫からアイスクリームを取り出し、優斗に差し出す。
「えっ、なんで知ってるんですか?」優斗は驚き、笑った。
「前に言ってたからさ。でも、実は俺も好きなんだ。運命だな」と翔太が茶目っ気たっぷりに言う。優斗は嬉しさに顔が赤らむのを抑えきれなかった。
「運命って…先輩、冗談が上手ですね」と優斗が返すと、翔太は無邪気に笑った。
次第に二人の距離は自然に縮まり、言葉のやり取りも少し照れくさくなっていった。心のもつれが解けていく様子に、優斗はこのままの関係を続けたいと強く思った。
ある晩、優斗は部屋で何をするでもなく考え込んでいた。翔太の笑顔や、一緒にアイスを食べる瞬間、その全てが彼の心を温めているのが分かる。しかし、今の関係が終わるのが怖かった。
「どうしたの?」翔太が部屋に入ってきて、優斗を心配そうに見つめる。「そんなに考え込んで」
優斗は自分の気持ちを口に出す勇気が出ず、ただ目を逸らした。「何でもないです。ただ、明日の仕事のことを考えてました」
翔太は少し不安そうな顔をした。「そうか、無理するなよ。俺でよければ、いつでも話を聞くから」
その言葉に優斗は心が温まった。このままずっと、この関係が続けばいいのにと願った。彼の心の中には、先輩への強い想いが芽生えていた。
数日後、優斗はついに勇気を振り絞り、翔太に告白することを決意した。「先輩、話があるんです」
「何だ?」翔太は真剣な表情でこちらを向く。
「私たちの関係、もう少し進めてもいいかなって…」と優斗が言いかけた瞬間、翔太は驚いた表情を浮かべ、そして笑顔に変わった。
「優斗、実は俺も同じことを考えていたんだ」と翔太が言う。その言葉に優斗はほっとし、嬉しさが押し寄せた。
「じゃあ、私たちのこと、どうする?」と優斗はドキドキしながら尋ねた。
翔太は微笑んで言った。「まずは一緒にご飯でもいこうか。少しずつ進めていこう」
その言葉通り、二人の関係はゆっくりと形を変えていった。共に過ごす時間が増え、笑顔が絶えない日々。優斗は翔太といることが、何より幸せだと気づく。
数ヵ月後、季節は変わり、優斗は翔太と過ごした日々を振り返りながら思った。これからもずっと、一緒にいられたらどんなに素晴らしいだろう。
リビングの窓から見える夕焼けが、優斗の心に深い余韻を残す。翔太が傍にいることが当たり前になるたび、優斗は彼との未来を大切に思うのだった。
そして、この関係が続いていくことに心から感謝していた。優斗はあの時の一歩が、今の自分を作ったのだと、心の底から感じていた。