# 秘密の同居
春の光が差し込む午後、緑豊かな公園のベンチに座る後輩の和也は、目の前に立つ先輩の恭介を見上げた。恭介は高身長で整った顔立ちをしており、どこか威厳が漂っている。しかし、今はこっそりとした笑みを浮かべていた。その瞬間、和也の心臓はドキリと高鳴った。
「和也、どうしたの? そんなに見つめて」と恭介が小首を傾げる。無邪気なその仕草に、和也は思わず顔を赤らめた。
「いや、先輩がいつもと違って、なんだか…」と和也は言い淀む。実際、彼にとって恭介はただの先輩ではなく、特別な存在だった。
恭介は少し考え込み、「違ってるかも。最近、色々あって」と言った。その視線が和也から外れた瞬間、彼は思い悩んだ。「色々」に何が含まれているのか、知りたくてたまらないが、踏み込む勇気は出なかった。
その日から、ふたりの秘密の同居生活が始まった。恭介が一人暮らしをしていたアパートに、和也が転がり込む形だ。理由は、「一緒にいた方が安心だろう」という恭介の提案に、和也は思わず頷いてしまったのだ。
「和也、手伝ってもらっていい?」と、料理をしている恭介を見ながら和也は洗い物をする。恭介の優しい声に、彼の心は弾んだ。
「うん、もちろん!」
時折、恭介の視線が和也に向けられる。そのたびに、和也はドキリとし、喜びと不安が交錯する。恭介が自分の気持ちに気づいてしまうのではないかと、考えずにはいられなかった。
「和也、こうやって一緒にいると、なんだか安心するよ」と恭介が言った。その瞬間、和也は驚きの表情を浮かべた。
「僕も、すごく嬉しい…」と、和也は顔を赤く染めながら応えた。恭介の優しい目に見つめられると、どんなに隠そうとしても心の内がバレてしまいそうに感じた。
それからの日々、和也は毎晩恭介の隣で眠ることに慣れていった。静かな夜の中、ふたりの心臓の音が混ざり合う。時には、恭介が自分の頬に触れたり、和也の髪を撫でたりすることもあった。
「和也がいるから、毎日が楽しみだ」と恭介が言うたび、和也は小さく頷き、自分の気持ちを封じ込めた。これ以上、恭介の思いが大きくならないように。
しかし、ある日の夜。和也が疲れて横になると、恭介がその隣にやってきて、無邪気な笑顔を見せた。「疲れた? 少し体を休めよう」と言いながら、恭介は和也の肩に寄り添った。
和也の心臓は、今まで以上に大きく鼓動した。「先輩、近いよ…」と思わず言ってしまい、恭介はおかしそうに笑った。「いいじゃないか、こういうのも」と、その口元に微笑みが浮かぶ。
その瞬間、和也の心は隠し通せない感情で溢れ、身体が熱くなった。「恭介先輩、僕…」と口にしようとしたが、言葉が詰まる。恭介はその瞬間、和也の目を真剣に見つめた。
「和也、言いたいことがあるなら、言えよ」と優しく促す声が響く。
その瞬間、和也の心の葛藤が静まり返り、一歩踏み出す勇気が湧いた。「僕は、先輩のことが好きです」と震える声で告げると、恭介の表情が驚きに染まった。そして、彼の目が優しい光に満ちる。
「俺もだよ、和也」と恭介が言った。和也は驚きと幸福感が同時に押し寄せ、思わず微笑んだ。
それから、二人の距離は一気に縮まる。些細なことで笑い合い、時には静かな時間を楽しむ。日常が少しずつ甘くなっていくことを、和也も喜んで受け入れた。
夜が明け、恭介が和也の髪をくしゃくしゃにしながら、「おはよう、今日も一緒に行こうか」と言うその瞬間、和也は心の中で固く誓った。この瞬間を大切にし続けたいと。
彼らの秘密の同居生活は、少しずつ色づいていく。そして、和也の心の底にある気持ちは、もう隠さなくてもいいのだと感じていた。
日々の中で交わされる言葉は、徐々に甘くなり、恭介の存在が和也にとってかけがえのないものになっていく。彼らの間には、強い絆が結ばれていることを実感する。未来がどうなるかはわからないけれど、今はこの瞬間を大切にし、恭介の笑顔をそばに感じていた。
和也は心から思った。「この先も、ずっと一緒にいたい」と。